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男性警部補が供述調書を捏造、書類送検されるなどの不祥事

神奈川県警では近年、不祥事が相次いでいる。以下は、主なトラブルだ。

・20年2月、男性警部補が44件の交通事故で供述調書を捏造。書類送検される。

・20年2月、加賀町署の署員数人が泥酔した男性を自宅に送ったものの部屋に放置。男性はその後死亡。男性は転倒し頭部を激しく打っていたが署員は確認を怠っていた。

・21年1月、機動隊所属の男性巡査が20代の女性のバッグに体液を付着させたとして逮捕。停職6ヵ月の処分を受け依願退職

・21年10月、男性警部補が妻の経営する葬儀会社を遺族に紹介。見返りとして葬儀会社から、現金127万円と約68万円相当のプリペイドカードを受け取っていた。警部補は受託収賄の容疑で逮捕される。

・22年1月、暴力団に捜査情報を流していたとして警部補を地方公務員法守秘義務)違反で書類送検

祥事が明るみになるのは、決して悪いこととは言い切れない。背景には、神奈川県独自の取り組みがある。

「トラブルが続出していることを受け、弁護士らが中心となり00年7月に市民団体『警察見張番』をつくったんです。同団体による監視も、不祥事が表沙汰になることに貢献していると思われます」(同前)

神奈川県警のOBで、犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が解説する。

「神奈川県警で不祥事が相次いでいるのは事実です。しかし不正を公にしようという、自浄意識は働いているように思います。組織によっては、トラブルを隠蔽するケースも多いですから。自ら公表することで、県民からの批判を軽減する狙いもあるでしょう。

ただ、職権を利用しての不正行為は絶対にしてはならないこと。特に高齢容疑者からの現金搾取など前代未聞です。公にすれば許されるというものではなく、警察官一人一人への教育と問題意識の向上を徹底させるべきでしょう」

冒頭で紹介した4人同時の処分を受け、鎌田耕造・監査官室長は「信頼を損なう事案が発生し深くお詫びします」と謝罪している。