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実弾盗んだと濡れ衣、鬱病発症の警察官が訴える「冤罪」

 

 
奈良県警が拳銃の実弾を紛失したと発表し、後に配分ミスだったと訂正した問題を巡り、実弾を盗んだ容疑で連日のように取り調べを受け、鬱病を発症したとして、県警の20代の男性巡査長が県に約710万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が4日、奈良地裁で開かれる。現職警察官が組織を相手に起こした異例の訴訟。
原告側代理人は繰り返される冤罪(えんざい)の構図との共通点を挙げ、「誰の身にも起こりえる」と問題を指摘する。

「紛失」と空騒ぎ、巡査長を犯人扱い

県警は1月7日、奈良西署の拳銃庫で保管していた実弾5発を「紛失した」と発表した。だが実際は、古くなった実弾を新しいものに交換した一昨年11月に、本部の担当者の手違いで同署に5発少なく配分していたことが判明。管理ミスによる〝空騒ぎ〟だったことが分かり、今年7月15日、紛失は誤りだったと訂正に追い込まれた。

この騒動に巻き込まれたのが、「紛失」発表の当日朝に、当直要員として拳銃庫の実弾チェックをした同署の男性巡査長だった。

 

警察官の不正は珍しくなく、調書の改ざんなども行われている。

近年は警察官の採用試験の倍率が急落する一方、パワハラなどで離職率が高くなっていて、福岡県警などが独自の対策を講じるなど、警察に対する不信感は広まっている。