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警察が警察に強制捜査 警備文書を押収 SNSで“犯人捜し”過熱

韓国の特別捜査本部が事故の原因解明に向けて動きました。  龍山(ヨンサン)警察署など8カ所に強制捜査に入ったのです。事故当日の警察への通報に関する資料やハロウィーンの警備計画に関する資料を押収したということです。  そんな韓国で加熱しているのが、責任はどこにあるのかという犯人捜しです。  記者:「男性が友達と『押せ押せ』と叫んで前の人を突いたのが事故の始まりだったと書き込みがあった。その男性が“ウサギのヘッドバンド”をしていたというのです。これが広がるとオンライン上では“ウサギのヘッドバンド”の男性を見つけようという動きが高まりました」  “ウサギの耳”を付けた人物が事故のあった坂で群衆の後ろから「押せ、押せ」と叫んだとSNS上で拡散されたのです。その男性が韓国メディアで反論しました。  SNSでウサギの耳を付けたとされた男性:「私は梨泰院に行ってもいません。虚偽を広めた人を処罰できませんか?」  SNS上で匿名の人物に具体的な根拠も示さずに名指しされ、名前や電話番号までプライバシーをさらされ、知らない人間から連絡が来る状況だと言うのです。  また、SNSを巡っては批判の声も上がっています。  韓国メディア:「惨事の現場を背景に写真を撮ったり、携帯電話を持って“息が止まった被害者”を動画で撮影するのを見て眉をひそめる人もいました。YouTuberが三脚を運び込んで現場を生中継し、恐ろしい事故現場がそのまま流れる事態も起こりました」  現場に居合わせた人は“異様”な光景を見たと話します。  現場にいた人:「音楽が流れるなか、悲鳴と一緒に『人が死んでいる』という声が聞こえました。たくさんの人々が笑っているのを見ました」  SNS上では、道路が救急車などでいっぱいになっている状況で音楽に合わせて踊っていた人の姿も拡散されています。  韓国政府は「SNSなどでフェイクニュースや刺激的な現場の様子などの共有がみられる」とし、自粛を呼び掛けています。  一方で、その政府も事故は未然に防げたのではないかと批判の矢面に立たされています。  韓国KBSニュース(2日):「被害者や犠牲者という表現の代わりに『死亡者』という言葉を使うよう自治体に指針を示し、議論が起きています。政府の責任を薄めようとしているのではないかと批判が提起されています」  韓国メディアによりますと、韓国政府は責任を問われる政府への批判を弱めようとしているというのです。  また、韓悳洙(ハン・ドクス)首相の言動にも批判が…。外国人への記者会見で事故の責任を問われた際、通訳の機器が故障するとこんな冗談を…。  スタッフ:「通訳の機械が故障しています」  韓悳洙首相:「この通訳トラブルの責任は誰にある?」  これに「不適切だった」という声が上がったのでした。  一方で2日、遺留品センターは梨泰院(イテウォン)の事故を受け、臨時で開設されました。本来は多目的体育館ですが、床一面に犠牲者らの所持品が並べられています。  娘の靴を探しに来たという女性は…。  遺留品センターを訪れた女性:「(娘は)足にけがをしています。幸いにして上半身は大丈夫でしたが、下半身が結構押されました」  娘は足をけがして全治1カ月ほどだと言います。ただし、心の傷は癒えていないそうです。  遺留品センターを訪れた女性:「一番仲良い友達が亡くなりました」  そんななか2日、事故に巻き込まれて亡くなった小槌杏さんの遺族がコメントを出しました。  小槌杏さんの遺族:「まさに夢への第一歩を踏み出したところでした。素直で優しく、ちょっぴりマイペースな娘は私たちの宝物です。その宝物が目の前から消えてしまった現実を今はまだ受け止めきれずにおります。たくさんの人に愛され、支えられた彼女の人生は幸せであっただろうと思います。一日も早く、我が家に一緒に帰りたい、そう願っております」