熊本県の教員の不祥事例
熊本市立中1年の男子生徒が2019年に自殺する前、小学6年時の担任で複数児童に対する不適切な指導が指摘された男性教諭の言動を受け、同僚だった女性教諭がストレス性の十二指腸潰瘍になり、一時休職していたことが30日、市教育委員会などへの取材で分かった。
市教委などによると、女性教諭は新任の頃、男性教諭と同じ部活動を2年間担当。男性教諭は機嫌が悪いと、児童の目の前でも女性教諭への叱責[しっせき]を繰り返していた。女性教諭は体調不良が続き、授業中にトイレに駆け込んで嘔吐[おうと]することもあった。 女性教諭はその後、十二指腸潰瘍と診断され、2週間の静養が必要とされた。市教委は男性教諭に関する調査で、子どもたち以外にも保護者や教職員らに対して7件の不適切な対応があったと認定。このうち1件は女性教諭に対する大勢の前での叱責だった。 第三者機関として男子生徒の自殺を調べた市の詳細調査委員会も、報告書で女性教諭の体調不良に言及。2週間休んだことは、男性教諭からのストレスが原因だと女性教諭が受け止めていると指摘した。
女性教諭は男子生徒が自殺する前に男性教諭の不適切な言動を市教委に相談しており、「私たちはずっと管理職や市教委に訴えていたが、誰も動いてくれなかった」と話した。