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性犯罪見直し、法制審が事務局試案 「暴行・脅迫」以外も対象 性交同意年齢も引き上げ

性犯罪規定の見直しを検討している法相の諮問機関「法制審議会」の担当部会が24日開かれ、刑法の強制性交・準強制性交罪を統合し、「暴行・脅迫」を用いない性行為についても強制性交罪が成立することを明示した事務局試案が提示された。性行為に同意する能力があるとみなす「性交同意年齢」は13歳から16歳に引き上げた。担当部会は試案をたたき台に、法相への答申案作成に向けた議論を進める。 被害者側は強制性交罪での処罰に必要な「暴行・脅迫を用いる」との要件を見直すよう求めており、法制審の議論ではその実現が最大の焦点となっている。 試案は「暴行・脅迫」による性行為・わいせつ行為を取り締まる強制性交・強制わいせつ罪に、酩酊(めいてい)状態などでの同様の行為を取り締まる準強制性交・準強制わいせつ罪を統合した。 暴行・脅迫に加え▽予想外の事態で恐怖をおこす▽経済・社会的な地位の差による不利益を憂慮させる-など全8項目による理由でも、「拒絶困難」な状態にさせた上での性行為を処罰する。拒絶困難の定義には、心理的な支配などで拒絶の意思を起こすことが困難な場合も含めた。 性犯罪は被害申告が遅れる例が多いことなどから、性犯罪の公訴時効は、他の犯罪より5年ずつ延長した。 試案では、性行為に同意する能力があるとみなす性交同意年齢をこれまでの13歳以上から、加害者が5歳以上離れた場合などに限って16歳以上に引き上げた。 これまで自治体の条例で取り締まってきた盗撮を処罰する「盗撮罪」、未成年を誘惑して面会を要求して手なずける行為などを取り締まる「グルーミング罪」も新設した。 刑法の性犯罪の規定は平成29年、強姦罪を強制性交罪として法定刑を引き上げるなど、110年ぶりに改正。その際、3年後に見直しを検討するとしており、被害者側から被害実態をより反映した改正を求める声が上がっていた。