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千葉県警のずさんな捜査か 殺人起訴の2人に無罪判決

印西市の防火貯水槽内で2020年10月、左足首が切断された男性の遺体が見つかった事件で、殺人の罪に問われたいずれも住所不定、無職の男性2人の裁判員裁判の判決公判が24日、千葉地裁(平塚浩司裁判長)で開かれた。平塚裁判長は「共謀共同正犯が成立しない」として、両被告に無罪を言い渡した。検察側は1人の被告(36)に懲役23年、もう1人の被告(28)に懲役20年を求刑していた。  2人は仲間と共謀し20年10月18日、千葉市花見川区の駐車場に止めた車の中で、成田市の会社員、宮内孝介さん=当時(46)=の首などを刃物で複数回突き刺すなどして殺害したとして、昨年4月に起訴された。36歳の被告は死体損壊と死体遺棄の罪にも問われ、無罪判決を受けた。  2人は初公判で起訴内容を否認し、殺害の実行役と同等の責任を負うかが争点となった。  平塚裁判長は「被害者を連れてくるよう2人に指示をしたという実行役の証言は信頼できず、殺害の意思連絡が認められない」と指摘。「被害者を実行役に引き渡し、重要な役割を果たした」とする検察側の主張を退けた。  

 

千葉地検の滝沢一弘次席検事は「判決の内容を精査し、適切に対応する」とした。  両被告は違法薬物事件にも関与したとして審理されており、28歳の被告は覚醒剤取締法違反の罪で懲役1年10月、36歳の被告は大麻取締法違反の罪で懲役10月(執行猶予3年)の有罪判決を受けた。