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スナク氏が無投票で英保守党首に選出 首相就任へ

英国のリズ・トラス首相(47)の後任を決める与党・保守党の党首選の立候補届け出が24日午後2時(日本時間同10時)に締め切られ、リシ・スナク元財務相(42)が無投票で新党首に選出された。英国では現在、保守党が下院の過半数を占めており、スナク氏が新首相に就任する。スナク氏は両親がインド系移民で、英史上初のインド系の首相となる。  

 

立候補には党所属下院議員357人のうち100人の推薦が必要で、スナク氏はこの条件をクリアした。一方、出馬表明していたペニー・モーダント下院院内総務(49)は推薦人の数が条件を満たさなかったとみられ、届け出締め切りの直前に撤退した。ボリス・ジョンソン前首相(58)は23日に出馬断念を表明。唯一の候補者となったスナク氏が党首に選ばれた。  

 

トラス首相は近く正式に辞任する。その後、スナク氏がチャールズ国王から新首相に任命され、組閣に着手する見通し。  トラス氏は9月の首相就任後に表明した大型減税策が市場の混乱を招き、責任を取る形で退陣に追い込まれた。前回の党首選でトラス氏との決選投票に敗れたスナク氏は、財政再建を重視する立場から、もともとトラス氏の減税案には否定的で、当面はインフレ抑制などに努めるとみられる。  

党員人気が根強いジョンソン氏は2019年の総選挙で保守党を大勝させた立役者でもあり、今回も出馬待望論が一部で拡大。休暇先のドミニカ共和国から22日に急きょ帰国し、出馬の可能性を探っていた。だが新型コロナウイルス流行中にパーティー出席を繰り返した不祥事で今年9月に辞任した直後のため、早期復帰には反対も多く、党内の対立が深まっていた。  

ジョンソン氏は23日の声明で、自身は100人超の推薦を得たものの「議会で結束した党でなければ、効果的な政権運営はできない」と述べ、党分裂回避のために身を引いたことを示唆した。また、スナク氏とモーダント氏に「国益のため」の連携を働きかけたが、不調に終わったと明かした。候補者の一本化を持ち掛けたとみられる。  

 

英メディアによると、ジョンソン氏は23日、モーダント氏に出馬を断念して自身を支持するよう要請したが、拒否されたという。